成長とは
僕の周りはとても良い子ばかりである。
まるで間抜けた人間は僕ぐらいなもので、皆安全安心な正解の選択肢を選んできた、正しい人間だ。
僕は餓鬼だった。
薄々気がついてはいた。
友の振りまく笑顔は100点満点の美しすぎる愛想笑いだと。
彼らは口先で良い言葉を選べ、それは全く本心でないと。
良く考えれば、これこそが成長するということなのかもしれない。相手に悟られぬような愛想笑いをみにつけ、口は一見楽しく美しい理想を語り、その癖に自分では利己主義的に生きる。
詐欺師ではない。それが、大人なのだろう…
気づくのが遅かった。