Rain

悲しむ時、なにか当たるものがあることは幸いかもしれない。何も無い時、なにか諦めのようなものに苛まれる。当たるものというのは、物ではない。本当の悲しみを得た時、その悲しみの根源が存在すらしなくなっていた時、その悲しみを引きずってしまう気がしてならない。

 

こんな時、悲しみを癒すのは一体何なのだろう。

 

音楽か、恋人か、趣味か、絵画か、景色か…

 

答えは時間なのかもしれない。

我々は、時間というクッションで全く尖った悲しい経験を、包み込んで消してゆくのかもしれない…